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フランス・ホーヘンベルフ「青いマント」1558年 エングレーヴィング
ベルギー王立図書館所蔵 cKBR

小さな画面に43もの教訓が絵と文字でそれぞれ書き込まれているのです。以下はその諺の詳細。講演会資料として森洋子先生がお作りになったものです。特にカッコ内の解説は大変貴重で有意義なものです。
番号は展覧会会場内の解説ボードのそれと一致します。ここだけプリントアウトして持って行かれるとより理解が深まり楽しめるかと。

1:日を籠で運び出す(無意味なことで時問を浪費する)
2:ひとリは羊の毛を刈り、もうひとリは豚の毛を刈る(同じ行為でも、ひとリは有利で、他は不利になる)
3:門で尻を拭く(あることを全く気にかけない、無視する)
4:かまどを突き破った(物事をめちゃめちゃにする)
5:豚の前に薔薇を撒く(価値のわからない人間に施す行為)
6:雌豚が樽栓を引き抜く(監督不行届きのため、商売が傾く、破産する)
7:夫が家を支え、妻は出てゆく(責任をもつ人間、回避する人間)
8:雌鶏の卵を求め、鷲烏の卵を取リ逃がす(些細なことに心を奪われ、重要なことをなおざリにする)
9:7つの壁穴から見る(心配性で念には念を入れる)
10:2つの椅子の間の灰の中に座る(チャンスを逸する、すべてを失う)
11:水面に太陽が反射するのを我慢できない(他人の幸運を嫉妬する)
12:1本の骨に犬2匹(2人の人間が地位や財産のことで争い合う)
13:夫に青いマントを着せる(妻が夫を裏切る、欺瞞)
14:片手に水、片手に火を運ぶ(2重人格。信頼できない人間)
15:翼をもつ前に飛ぼうとする(準備なしに行動をする)
16:小さな親指の上で世界を回す(何もかも意のままに支配する人間)
17:鰻を尻尾で捕える(簡単に失敗することを承知で一所懸命やる)
18:網の後ろで魚を捕る(他人がすでに行なったあとでは、なんらよい結果は得られない)
19:鍋の中に犬を発見(犬に食べられ、食べ物があまリ残っていない。先手を打たれる。現場で捕らえる)
20:悪魔と相談(適切でない人間に助言を求める)
21:牛からロバに登る(賛沢から窮乏生活へ転落する)
22:同じ穴から2人一緒に糞をする(2人は悪事においても気が合う)
23:月に向かって小便をする(野心ばかリ大きく成功しない)
24:指の間から見る(あることを見て見ぬふりをする、大目に見る)'
25:1つの頭巾に2人の阿呆(2人は悪事においても意見が一致する)
26:猫の首に鈴をつける(危険な計画に乗リだす)
27:パンからパンに届けない(今日のパンが買えても、明日の暮らしはわからない)
28:かまどと競って大口を開ける(無駄な労力を費やすこと。不可能なことを実行しようとする)
29:世界に糞をする(世間を軽蔑する。世論を無視する)
30:マントを風の方向に垂らす(都合次第で意見を変える日和見主義者。時流に合わせる)
31:絞首台に糞をする(なんら処刑を恐れていない)
32:柱を咬む人(偏執狂的な信心をもつ人間。偽善者)
33:風に向かって羽根を箕にかける(愚かで無意味な行為)
34:悪魔に蝋燭を点す(信用していない人間にお世辞を述べる)
35:炭で体が暖まりさえすれば、誰の家が燃えていようと構わない(エゴイスト。他人の不幸を利用する人間)
36:腹子のために鰊を焼く(報いのない労苦)
37:耳に吹き込む人(告げ口屋)
38:ひとりが紡錘棒に亜麻を巻き、もうひとリが紡ぐ(ひとリが悪事を企て、他がそれを実行する)
39:世の中を通れない(世をうまく渡れない)
40:どんな風でも飛んで行く(日和見主義者)
41:頭を壁にぶつける(不可能なことをして成功しない)
42:羽毛で撫でる人(へつらう人)
43:仔牛が溺れてから穴をふさぐ(事件が起きてから対策を立てる)