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 「見ると、一頭の白い馬が現れ、乗っている者は、弓を持っていた。彼は冠が与えられ、勝利の上に更に勝利を得ようと出て行った」
 (『ヨハネの黙示録』 6−2)

 ドラマチックです。というより劇画も及ばないほど意表をつきます。状況を考えると、神様から巻物を子羊が受け取り、封印の一つを開く。すると、白い馬に乗った騎士があらわれるとです。いったいどこから?巻物のあたりからぼわーんと煙と共にでてくるのでしょうか?
 第一の封印から出てくるのは、猛った騎士です。

 「子羊が第二の封印を開いたとき、第二の生き物が「出てこい」と言うのを、私は聞いた。すると火のように赤い別の馬が現れた。その馬に乗っている者には、地上から平和を奪い取って、殺し合いをさせる力が与えられた。また、この者には大きな剣が与えられた」
 (『ヨハネの黙示録』 6−3)

 白い馬に続いて赤い馬に乗る騎士の登場。
 「Riders in the Sky」。
 赤馬の騎士は、戦争と殺戮をもたらす

 「子羊が第三の封印を開いたとき、第三の生き物が「出て来い」というのを、わたしは聞いた。そして見ていると、見よ、黒い馬が現れ、乗っている者は、手に秤を持っていた。わたしは四つの生き物の間から出る声のようなものが、こう言うのを聞いた。『小麦は一コイニクスで一デナリオン。大麦は三コイニクスで一デナリオン。オリーブ油とぶどう酒とを損なうな』」
 (『ヨハネの黙示録』 6−5・6)

 フランシスコ会訳注によると、秤はききんの時の食糧の欠乏を象徴している、という。
 黒馬の騎士はききんをもたらす。
 「コイニクス」とはなんじゃ、フランシスコ会訳では「ます」と訳してあります。「デナリオン」という言葉は、「よいサマリア人」が渡すデナリオン銀貨2枚でお金の単位だと言うことがわかります。

 「子羊が第四の封印を開いたとき、「出て来い」と言う第四の生き物の声を、わたしは聞いた。そして見ていると、見よ、青白い馬が現れ、乗っている者の名は「死」といい、これに陰府が従っていた。彼には地上の四分の一を支配し、剣と飢饉と死をもって、さらに地上の野獣で人を滅ぼす権威が与えられていた」
 (『ヨハネの黙示録』 6−7・8)

 ペストなどの疫病や野獣を使って人間を殺す第四の騎士の登場です。
 「青白い馬」は、文語訳の「われ見しに、視よ、青ざめたる馬あり」の「蒼ざめた馬」の方が言葉としてなじんでいます。
 五木寛之直木賞受賞作に「蒼ざめた馬を見よ」という短編があります。
 ここで黙示録の四騎士が揃いました。しかし、ろくでもない騎士たちです。なんのために「神の子羊」がこの騎士たちを呼び出さなければならないのでしょう。